フランス国王ルイ16世の王妃マリー・アントワネットには、
「処刑されるショックで、一晩のうちに髪が真っ白になった」
というエピソードがあります。
しかし、髪が作られるしくみを考えると、この話は迷信だと思われます。
白髪染めなどを使ってヘアカラーリングをしない限り、
すでに生えている髪の色が大きく変わることはないからです。

生えた後の髪の色は変わらない

髪の色は、メラニン色素の種類と量によって決まります。

そして髪の毛のメラニン色素は、髪と一緒に毛根で作られます。

毛根で色を帯びた髪は、やがて頭皮まで押し上げられ、ブロンドの髪や黒髪として頭皮の外側に出てきます。

これが、いわゆる「髪の毛が生えた」状態です。

メラニン色素は非常に壊れにくいので、いったん生えた髪の色はその後もほとんど変化しません。

白髪は、外に出てくる前から白い

では、白髪はどんなメカニズムで生えてくるのでしょうか。

白髪は何らかの原因によって、毛根でメラニン色素が作られなくなり、色素を持たないまま頭皮の表面まで伸びてきた髪です。

つまり、白髪は頭皮の内側にある時点で白いので、ブロンドの髪や黒髪として生えてきた髪が、後から自然に白髪になることは滅多にないのです。

白髪の原因は、遺伝、加齢そしてストレス

それでは、なぜ「マリー・アントワネットは、一夜にして白髪になった」というエピソードが残されたのでしょうか。

毛根でメラニン色素が作られなくなる理由はまだ完全には解明されていませんが、遺伝や加齢とともにストレスも大きな原因だと考えられています。

記録によると、“マリー・アントワネットは、牢獄に移されてから約2ヶ月後に処刑された”とあり、処刑時には髪が短かったそうです。

贅を尽くした宮廷生活から一転しての牢獄暮らしは、マリー・アントワネットにとって、想像を絶するストレスだったと察せられます。

恐らく牢獄生活のストレスで白髪が増え、さらに処刑の前に短髪にしたことで、突然白髪になったように見えたのではないでしょうか。

白髪に見えただけかも?

また、マリー・アントワネットは、そもそも処刑当日に白髪ではなかったかもしれません。

宮廷で享楽的な暮らしを送っていたときは、ファッションリーダーとも目されていた彼女。

その十分に手入れされた髪やドレスアップした姿の印象が強かっただけに、処刑の日の手入れされていない“くすんだブロンドヘア”が人々の目に白髪として映ったとも考えられます。

処刑前のマリー・アントワネットとは比較にならないものの、さまざまなストレスを抱えている現代の私たち。

髪のためにも身体のためにも、適度なストレスの解消とできるだけ健やかな生活を心がけたいものですね。

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