うつつ染めがたり > Vol.12  中居 美和子さんのon『大田市場花き部門』

「好きなことを仕事にしよう。そう思ったのが始まりです。」 中居 美和子さん 『大田市場花き部門』(東京都大田区) 「花き」というのは、切り花や鉢物、苗物などの総称。大田市場花き部門には、中居さんのようなフラワーデザイナーやフラワーショップの人々が美しい花を求めて早朝から集まります。

大田市場花き部門

  • 中居 美和子さんのon
  • 中居 美和子さんのoff

東京モノレールの駅を降りると周囲はまだ真っ暗。
吐く息が白くなるほどの寒さですが、気持ちがしゃんとするような凛とした冬の朝です。

一足先に市場で仕入れをしていた中居さんは、もうすっかり仕事モードでキリッとした表情。人混みをするするとかわしながら次々とお目当ての花を仕入れていきます。そんな中居さんのonの過ごし方について伺いました。

生花

仕上がりをイメージして花を選ぶようにしています。

慎重に花を見極める中居 美和子さん

今日は住まいのある埼玉から車を運転して来ました。
着いたのは朝5時半くらいですけど、
もっと早く来ている方もいますし早いほうではないんですよ。

市場へ来る前に、できるだけ仕上がりをイメージして花材を
選ぶようにしています。今日は、アオモジという枝物のほかに、
ヒヤシンスやカラーなど数種類を仕入れる予定です。
レストランやホテルなどを飾るフラワーディスプレイの仕事もありまして、
今日のアオモジはレストランの活けこみに使おうと思っています。

ヒヤシンスは今週末のウェディング用なんですよ。
2色のヒヤシンスとグリーンを使って、シンプルで力強いブーケをつくろうと思ってます。
このヒヤシンスもそうなんですが、結婚式当日に向けて開花調整をします。
やっぱり、結婚式当日にベストな状態でブーケにしたいですからね。

花を運ぶ中居 美和子さん

よりとりどりの花を観察する中居 美和子さん

異国の地で花の仕事を経験。とても勉強になりました。

二つの花を見比べる中居 美和子さん

デンマークの街並み

以前は食品メーカーで働いていました。もともと花や植物が好きだったんですが、
転職を決めたときに、「好きなことを仕事にしよう」と思って、専門学校に通って花のことを勉強しました。

その後はフラワーショップで働いたんですが、
デンマークで花の撮影の仕事をしたことも何度かあるんですよ。
振り返ってみると勉強になることが多かったですね。

デンマークでは、素材を生かしたボリュームのあるアレンジが好まれます。
花の咲き具合にも好みがあるんですよ。ヨーロッパでは8分咲きくらいで、もう少したつと枯れて
しまうような状態が美しいといわれます。一方、日本では2〜3分咲きが好まれますね。
こんなふうに花にも国民性が表れておもしろいですよね。

仕入れた花の下ごしらえをする中居 美和子さん

体力が必要な仕事なんですよ。食事には気を付けています。

市場で花を仕入れてきたら、すぐにアトリエへ戻って
水上げの作業をします。茎や枝の端を切って水に浸けるんですが、
硬い枝もありますし結構力のいる作業なんですよ。
フラワーデザイナーという職業に華やかなイメージを
もたれる方が多いかもしれませんが、意外と花って重いものですし、
作業が多くて動き回るので本当に体力が必要です。

日ごろ気を付けているのは、食事をしっかりとること。
もともと食べないとすぐに痩せてしまう体質ですし、
体力と美容のためにもたくさん食べますね。

あと、やっぱり手が荒れてしまいがちなんですよね。
花を育てるのに使われる農薬が影響してしまうことが
多いようなので、こまめに手を洗うようにして、
ハンドクリームやオイルでケアしています。

仕入れた花を束ねる中居 美和子さん

結婚式はとても大切な日。お手伝いができて嬉しいです。

笑顔の中居 美和子さん

最近では、ウェディングの仕事の依頼をいただくことが多いんですよ。
花嫁さんが持つブーケのほかに、式場に飾る花やウェルカムボードなどをお受けしています。

ウェディングの仕事は、事前にご本人たちと打ち合わせをすることも大切な仕事のひとつです。
お二人が抱いているイメージを形にできればと思っています。
みなさん、どんなブーケにしたいか、イメージを固めてくる方が多いですね。
本や雑誌などを持参されて、こんな感じにしたいんです、とお願いされることも少なくありません。
お客様と直接お話しすることで勉強になることも多いです。

結婚式は人生においてとても大切な日です。何度経験してもプレッシャーを感じますが、
大切な日にお手伝いができて嬉しいです。

様々なフラワーアレンジメント

真剣な表情で花を選ぶ中居 美和子さん

市場での中居さんは歩くスピードが速く、花材を選ぶときにも迷いがありません。重さのあるたくさんの花々も慣れた手つきで持ち上げてしまいます。その姿に、どこにそんなパワーが?と思ってしまうほどでした。たとえるならば、細いけれどしなやかで決して折れることのない植物のよう。「好きな花はなんですか?」の問いに、「ダリアとか、存在感のある強い花が好きです」という返答。中居さんの芯の強さが表れているように思いました。

生花

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