うつつ染めがたり > Vol.34  木野 光比己さんの『ホーユー資料館』

登場する方の「人生」を彩る「うつつ染めがたり」

製品開発にかける思いを残していきたいです。

CURATOR  × SAIYUKAN   Vol.34 木野 光比己さん 館 長  「ホーユー資料館」「彩友館」 愛知県西尾市 ホーユーのグローバル交流センター「彩友館」は、社員研修や保養に活用される施設です。館内には、ホーユーの歴史や理念が再認識できる歴史館があり、創業者の在りし日の映像を見ることもできます。

木野光比己さんは、退職する数年前から本社内の資料館の仕事を始め、
現在は雇用延長で引き続き仕事をしています。彩友館の館内に設けられた歴史館も木野さんの手によるもの。歴史館を拝見しながら、お仕事のことやヘアカラーについて伺いました。

創業者・水野増次郎氏の映像も上映しています。

歴史館では、ホーユーの歴史や理念がわかる展示を心掛けています。創業者である水野増次郎氏の紹介をはじめ、85周年や100周年といった会社の記念イベントや、社員旅行などの写真を展示しています。社員の皆さんには、この歴史館で、自分の姿を探してほしいと思います。日本で働く社員だけでなく、海外も含めて社員研修で彩友館を訪れた人が気軽にこの部屋へ足を運んでくれれば嬉しいですね。

幸運なことに、創業者・水野増次郎氏の8ミリ映像が残されていたため、歴史館にスクリーンを設置して動画を観られるようにしました。長く続いている会社では、なかなか創業者の動く姿を見たり、声を聞いたりといった経験はできません。そういった意味では、貴重な体験ができる歴史館になったと感じています。

誰しも日々忙しく働いていると目の前の仕事や近い将来のことだけを考えてしまいがちです。ただ、会社は積み重ねてきた過去があってこそ。ホーユーで働く皆さんに、この歴史館の展示を通じて、創業者のことをより深く知ってほしいと思います。創業者や歴代の社長がどういう思いで会社をつくり上げてきたかを知ることで、社員一人ひとりの立ち位置を見直すことにつながるのではないでしょうか。

100年前のヘアカラーを調べています。

私は、資料館における資料収集、保管・管理、展示会開催などを行っています。また、社内に向けたヘアカラーに関する情報を紹介することも始めています。

資料館の仕事に携わるようになってから、ヘアカラーは奥の深いものだと改めて感じるようになりました。

現在、「100年前のヘアカラー」をテーマに調べています。どのような製品を誰がどのようにして使っていたのかといったことを、さまざまな資料で検証を重ねています。謎解きのようなおもしろさがあり、興味が尽きることがありません。

日本のヘアカラーの歴史は100年ほどです。現代では、ヘアカラーは女性のものというイメージが強いですが、文献などを調べてみると、髪を先に染めはじめたのは、明治時代の初めにちょんまげを切った男性たちだったようです。

このように、歴史を紐解いていくと自分の固定観念がくつがえされることが度々あります。歴史を知ることで、違う視点をもつことができ、ひいては新しい商品を生み出すことにつながるのかもしれません。そういった点でも、皆さんにもぜひヘアカラーの歴史に触れていただきたいと思います。

創立100周年までに「三羽からす」を見つけます。

私の最大の課題は当社が1916年に発売した白髪染め「三羽からす」の現物を見つけ出すことです。これまでも長年に渡り探し続けていますが、記録はありながら現物がないという状態が続いています。当社は、8年後に創立100周年を迎えますので、そのときまでに必ず見つけられると確信しています。

私一人にできることは限られていますが、さまざまな人に訊いてみることはできます。根気よく多方面にアプローチをかけて、人と人のネットワークを広げていき、いつの日か三羽からすを見つけ出したいと思っています。

これまでホーユーは、さまざまな白髪染め製品を世に送り出していますが、製品開発にかける思いをカタチにして残しておかなければ、時間の経過とともに消え去ってしまうものです。私は、そういった思いを残していく役割を担っていると感じています。

「消えてゆく製品一つひとつにもスポットを当て、その素晴らしさを紹介することも、商品開発なのではと考えています」と話していた木野さん。これからも持ち前の探究心と人とのネットワークを大切にしながら、ヘアカラーの世界を盛り上げていかれることでしょう。

※イメージ写真はホーユー資料館内に展示されている画像も含まれています。

INFORMATION

グローバル交流センター「採友館」

グローバル交流センター「採友館」

ADDRESS

愛知県西尾市吉良町宮崎大山2-160

白髪染めはオトナの女性の嗜み